2019年4月16日火曜日

リック•ドム

 ではリックドムは何だろう。MS06ザク2R型と次期主力機を争ったと言うがどうも納得いかない。このような特殊兵装のMSが汎用性の高い主力機としての役割を果たせるようには思えないからだ。では何のための機体だろうか。

 大戦後半になるとジオンは限りある物資を有効に使う事を考える必要が生じた。従来であればザク数機の小隊で1隻の艦船を沈める作戦を取っていたのだが、出来れば1機のMSで1隻の艦船を沈めたいと考えるようになった。その結果開発されたのがリックドムで、つまりこれは基本的に対艦用MSと考えた方が良い。分厚い装甲は艦船の対空機銃を想定したものだ。射程の長いジャイアントバズーカでロングレンジから連邦の艦船を狙い打つ事を想定した設計で、視認性の低いダークカラーは対空機銃に狙われにくいためのものだ。

 この対艦型MSドムの出現によってジオンはより少ない艦船、より少ないMSで連邦軍の艦隊に対峙する事が可能になった。もちろん基本的にはザクとセットで運用する事が想定されていただろう。生産機数は400機くらいだと思われる。現場ではザク3に対してドム1の比率で運用する事が好ましいとされていた。

 ジオンは次期主力MSとしてゲルググという選択肢を早い段階から固めていた。ただし、ゲルググの量産体制が整いザクと変換する作業が完了するまでにはかなりの時間がかかる。そこで元々陸戦型MSであったドムを改修してロングレンジの重火器支援MSとしてリックドムを完成させる事により、ゲルググまでの繋ぎとしてザクとドムをセットで運用するという方針が固まったのだった。ちなみにア•バオア•クーの時点でゲルググ〜ザクの変換作業は約20%程度が達成されたに過ぎず、その時点でジオンは終戦を迎えている。

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