2019年5月20日月曜日

アバオアクーでの内紛劇

 オリジン版で捕虜になったアルテイシアがクーデターの中心になると言うのは面白いが、そこからホワイトベースのランチに戻るまでの展開が少し強引すぎるので改訂案を考えてみた。

 ちなみに、このクーデター劇が外せない理由は以下の2つ。

1)ザビ家(ギレンとキシリア)に対するジオン兵の本音が噴出する場面が描ける。
2)アバオアクーでジオンが内紛劇を起こして自滅した事を強調出来る。

 まず原作通り連邦との講話に向かったデギンがギレンのコロニーレーザーで殺されてしまう。オリジン版とは違いここにキシリアは絡んでいない。


 そしてまた原作通り、これに怒ったキシリアはギレンを射殺する。これはあくまでも感情的なものだったという事にしたい。


 射殺した直後、キシリアは青ざめた。ザビ家の主要メンバーが既に自分しか残っていない事に気がついたからだ。その恐怖と動揺を悟られまいとして強い口調でリーダーシップを発揮しようとするのだが、部下達の視線が冷ややかである事に気がつく。キシリアは統率を保とうとし周囲を親ザビ派で固めて異を唱える者を射殺する等して暴走を始めた。そうした動揺からジオン軍の足並みは乱れ、アバオアクーでの戦局は連邦軍有利に傾いて行く。


 そもそもジオンの上級将校の多くはデギン時代の政治に共感して身を粉にして働き出世したものが多かったので、ギレン&キシリア体制を必ずしも歓迎していたわけでは無く、力で押さえつけられていたにすぎなかった。そしてそのザビ家の体制が今や崩壊寸前で実質的にはキシリア1人しかしか残っていない。劣勢になりはじめたアバオアクー内でもはやキシリアに統率能力は無いと判断した何人かの将官らがアバオアクーとキシリアを捨てて一時退却し、体制を立て直す案を検討し始め、そのプランは秘密裏に実行されていき、その結果ますますジオンは劣勢になっていく。デラーズ艦隊がアバオアクーから撤退したのもこの時だった。


 この段階になるとキシリアもさすがにアバオアクーの陥落を悟り、部下に後始末を任せて脱出を計ろうとする。グラナダと本国には自分の息のかかった者が数多くいるし、そうしたネットワーク作りに尽力してきたキシリアにはまだ何とななると言う手応えが有った。
 しかし一方でキシリアとその取り巻きの熱烈な親ザビ派将官による指揮系統が残っている限り、アバオアクーで多くのジオン兵が徹底抗戦を強いられ無駄死にする事は明白であった。キシリアとその将官達が脱出するための時間稼ぎと援護をしなければならないためだ。そして運良く生き延びても降伏して連邦の捕虜になるだけだ。


 そのような貧乏くじを引きたく無い将校達は「もはやザビ家はあの女一人だ。今ならやれるぞ。。」と考えた。親ザビ派の将校だってキシリアが死ねばどう転ぶかわからない。早いとこキシリアをやって自分達も脱出の輪に加わりたかったのだ。このとき何人かの将校は獲物を見るような鋭い視線をキシリアに向けていたと言う。
 そして彼等の何人かが互いに目で合図を送り、キシリアを射殺しようと腰の銃に手をやったその時だった。アムロとのフェンシングによる白兵戦を終えたシャアが目の前に現れバズーカでキシリアの頭を打ち抜いたのだ。


 丁度同じ頃、アバオアクー構内をさまよっていたセイラがジオン兵に捕まり、苦肉の策として一か八かで自らアルテイシアである事を打ち明ける。するとこれに呼応したジオンの将校らがダイクン派による新生ジオンを標榜してザビ派に対するクーデターを起こし、アバオアクーはさらなる混乱に陥った。


 この時点でアバオアクーは既にジオンの敗色が濃厚であり、下級兵士達は(ザビ派の上級将校達が脱出する為に)アバオアクーで捨て石となって徹底抗戦する事が命じられていたので、ひとまずその状況から逃れる事が出来るために多くの兵がダイクン派に吸収されていく。もちろんそこには親ザビ派に対する反発もあった。

 セイラは深く考えずに発した自分の言葉が思わぬ影響力を持った事に対して動揺していた。キシリアの死が知れ渡ったため既にアバオアクーの残存部隊の七割り方がダイクン派に傾いていたのだ。そしてこうした状況は無線通信を通じてシャアの耳にも入っていた。「新生ジオンだと?アルテイシアは何をやっているんだ。」驚いたシャアはその現場(グワジン艦内)に急行しアルテイシア達と合流した後、ついに自らがキャスバルである事を認めた。ザビ家が壊滅した後だから可能だったのだ。

ダイクン派兵士「おい、シャア大佐だ!」
ダイクン派下士官「大佐は我々の側に付いて頂けますか?」
シャア「もちろんだ。そのためにここに来た。アルテイシア様は?

 この後、ダイクン派の兵士から念のために武装解除を受けた後、アルテイシアの面前に立つ事が許されたシャアは、そこで自分がキャスバル•レム•ダイクンである事を明かしたのだった。

アルテイシア「。。シャア。。」
シャア(マスクを取りながら)「兄さんで構わんよ。」
アルテイシア「キャスバル兄さん!」
兵達「おぉぉ!」「どういう事だ!?」「キャスバル•レム•ダイクンだよ!」
「噂は本当だったんだ!」「ジークジオン!」



 これによってダイクン派はますます勢いづくが、ここでシャアは部下に命じてアルテイシアをサイド3に脱出させるように命じる。ダイクン派のアイコンが2人とも同じ場所にいて死亡すると言うリスクを避けるための合理的判断であると誰もが考えた。この脱出劇に使用されたのはジオンの小型戦闘艇でモビルスーツ3機が護衛に付けられた。そしてこの時シャアは部下に「重要な指示を出すから脱出後5分でモニターの回線をこちらに繋げ。必ずだぞ。」と指示を出した。


 そしてテレビ電話の回線でシャアはアルテイシアにジオン公国が降伏に向かっているのでセイラがアルテイシアとしてサイド3に向かっても連邦軍に拘束されるだけだと言う事と、自分はアクシズに脱出して再起の時を待つという事を告げて、アルテイシアにセイラ•マスとしてホワイトベースに戻り、普通の女性として生きるように指示したのだった。そして随伴のジオン兵達には引き返すように命じた。アルテイシアにとってはサイド3に戻っても地獄、アクシズに逃亡しても地獄でしか無いという事をシャアは良く理解していたのだ。
 1人で戦闘艇内に取り残されたセイラはあまりの展開に涙していたので注意力散漫になった所を被弾し、そこから脱出して再びアバオアクー構内をさまよう事になった。茫然自失として生きる気力すら失いかけて来たセイラの脳内に脱出経路を示すアムロの声が響くのだった。


 そして原作通りエンドロールでアクシズに逃れるシャアが映る。



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