2019年5月11日土曜日

デギン•ソド•ザビの政治改革

 宇宙世紀0068年にジオン•ズム•ダイクンが死亡して全権を手にしたデギンは自らのやりたかった政治改革に乗り出す。元々ダイクンが独立に情熱をかける外交派だったのに対してデギンは内政派だった。つまりまず自分が理想とする社会を生み出そうと言う考えが強かったのだ。そのため常に戦争に反対する立場であった。

 デギンは無秩序な資本主義と愚民による民主主義こそが諸悪の根源だと考え、社会主義経済と公王制を導入した。一握りの優れた指導者が経済活動をコントロールしつつ社会を導くべきだと言う考えで、そこに中世の封建社会に対する憧憬も加わった。このためジオンの礼服は貴族的な懐古趣味になっているのだ。

 さらに、その「一握りの優れた指導者」は椅子にふんぞり返って後方で指揮するだけでは無く、自ら率先して犠牲を払い国民の模範となるべきだと考えたため、ザビ家のメンバーには兵役の義務が科せられた。だからザビ家は全員が軍人としての地位を持っているのだ。

 なおこの思想はギレンの「優秀なジオン国民が世界を導くべき」と言う思想や、ガルマの騎士道的な自決特攻行為にも繋がって行く。

 こうしたデギンの政治方針は経済が上手く回っているうちは国民から絶大な支持を得て、他サイドからの移民も多かったと言う。しかしその後、軍事大国化してコロニー落とし等といった過激な行動に出るにつれて知的な層から疑問がわき上がり、ジオンも彼等を弾圧する等した結果、ジオン独立戦争の開始と同時に恐怖政治的な側面が姿を表していく事になる。

 しかし、大多数を占めるノンポリの中間層は繁栄したデギン治世下の70年代を絶大に支持しており、この記憶が戦後も長く続いたジオン残党によるゲリラ闘争のモチベーションになっていたのだ。

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