2019年5月4日土曜日

カイがパイロットになる経緯

 カイは地元では有名な不良で暴走族であった。そのため、ガンキャノンを動かすチャンスを見逃さずに飛びついて、バイクで培ったセンスを活かして上手く操って見せてパイロットの座を射止めたのだった。本来のパイロットの1人がザクによるサイド7襲撃のさいに重傷を負っており、ガンキャノン1機分のパイロットの空きが有ったのだった。ホワイトベースには当初から2機のガンキャノンが搭載されており、もう一機は正規兵がパイロットを務めていた。カイはその正規兵にもセンスと飲み込みの早さを認められた。

 ホワイトベースに入ってからのカイは意外と大人しいが、これは不良が大人社会に入ると意外とパワーバランスをわきまえて従順に振る舞い要領よく楽なポジションを得るという、よくある現象にすぎない。ただ割と年上で正規兵のスレッガーに絡んでみたり、ホワイトベースの若い士官候補生などをいつのまにか下っ端にするなど随所にその片鱗を見せていた。



 ではカイがガンキャノンのパイロットになる経緯を詳しく見てみよう。

 サイド7にザクが侵入し、アムロが操縦するガンダムが応戦している中、カイはバイクでシェルターまで脱出してきた。もちろんこの時点でガンダムをアムロが動かしている事は全く知らない。そしてカイが地下に向かうシェルターのエレベーターに乗ろうとした時にセイラ•マスに軟弱もの呼ばわりされてビンタされてしまう。




 これで頭に来たカイは、よし見とけよとばかりにエレベーターを飛び出してジオン兵に応戦するべくバイクを駆って走り出した。

カイ「あ、あんたセイラさんとか言ったよな。。見とけよ、オレを誰だと思ってるんだこの野郎。。」バイクにまたがりつつ「ジオン兵ごときっ。このカイシデン様が皆殺しにしてやるぜ!!」バイク発進。

 この時点で既にザクはガンダムによって撃破されていたが、シャアを中心とする突撃隊員と小型ミサイルを搭載したフライングプラットフォームが数機侵入していたのだった。連邦軍のモビルスーツを徹底的に破壊するためである。



 この時点でガンキャノン1機がまだ未回収であり、連邦軍の兵士が2名で武装エレカに搭乗し、回収に向かっていた。1人はガンキャノンの正規パイロット(トラメル少尉)であり、もう1人はその上官(サファテ大尉)だ。ところがガンキャノンにたどり着くまでにジオン兵に襲撃され、正規パイロットが右肩に爆発の破片を受けてしまう。



 イメージ 左:サファテ大尉 右:トラメル少尉


 ガンキャノンまでたどり着いた2人の連邦軍兵士の会話

サファテ大尉「この出血じゃ危ない、引き返すぞ!ガンキャノンは破壊する!」
トラメル少尉「2人でやれば出来ます!自分が操縦方法を指示します!」
サファテ大尉「しかしその体で戦闘に耐えられるのか?」

 ここでカイが現れる。

カイ「よぉ、大丈夫かい軍人さん!うわっ、こりゃあ酷いケガじゃ無いか。」
サファテ大尉「丁度良い、君、救急隊を呼んでくれないか!」
カイ「そりゃあ呼ぶけどよ、このモビルスーツ、回収しなくて良いのかい?」
トラメル少尉「お、俺がパイロットだが、この通り右肩をやられちまってね。。」
カイ「任せとけ!オレは作業用モビルワーカーの免許だって持ってるんだぜ!動かすくらいは出来るだろうよ!」
サファテ大尉「バカ言っちゃいかん!そんな簡単なもんじゃ無い!」
カイ「さっきの白いの(ガンダム)よりは上手く動かす自信があるぜ!」
トラメル少尉「。。大尉。。いけるかもしれません。自分が横から基本操作を指示します。コクピットまで自分を運んでもらえますか?」
サファテ大尉「。。よし、俺がこの車で後ろから援護する。たのむぞ、青年!」
カイ「任されてぇ!」

 カイがモビルワーカーの免許を持っていたのはトラックやフォークリフトの免許を取りたがるヤンキー特有の気質からくるものであった。バイクを購入するためのアルバイトの傍ら取得した免許である。

 ともあれ、こうしてカイは正規パイロットの指示を受けながらはじめてガンキャノンを操縦し、ホワイトベースまで搬入すると言う仕事をこなす事になる。この際、ジオンのフライングプラットフォームを頭部バルカンで一機撃墜している。ガンキャノンのパイロット、カイ•シデンが誕生した瞬間である。



 なお、この際、自分が引っぱたいたカイが戦場に飛び出して行った結果、引っ込みがつかなくなったセイラは自らもエレカを駆って逃げ後れた住民の救助に向かい、さらにそれにフラウボウも続く。こうしてでホワイトベースクルーの民間人部隊が出来上がって行く過程を描く。なおセイラはここで奇遇にも兄であるシャア•アズナブルと再開を果たす。




 ガンキャノンの正規パイロットであったトラメル少尉の右肩の負傷は深刻なものであり、しばらくの間右腕が使えないためホワイトベースを降りる事になったが、カイの操縦センスを横で見ていた少尉の推挙によってカイがガンキャノンのパイロットとして定着する事になる。

 ちなみに新約版のガンキャノンはこんな感じ。


 ところでカイはサイド7時代から何かとアムロに絡んで不良仲間に引き入れようとしていたが、当時のアムロは内向的なオタクであり、本来ならカイが目をつけるようなタイプでは無かった。これはカイ特有のワルの嗅覚でアムロに内在するセンスに気がついていたからである。

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